夢遊病は大人でも発症する!心臓にも影響があるの?
夢遊病という言葉を一度でも聞いたことがあるという方も多いと思います。夢遊病は寝ているにもかかわらず、歩いたり叫んだり、なにかを食べたりしてしまう睡眠障害です。実は夢遊病は大人でも発症してしまう可能性があるのです。
大人でも発症する!?ハイジもなっていた夢遊病ってなに?
人気アニメ「アルプスの少女ハイジ」のハイジが、おじいさんのいる山に帰ることもできず、山の話をすることもができないストレスからか夢遊病になっていました。
また、芸人のノンスタイルの石田さんもこの病気に悩まされていると以前ブログでつづっていました。基本的にこの病気は子供に多くみられるようですが、大人でも発症している人は多いです。また、夢遊病は睡眠時随伴症のひとつです。
夢遊病の他に夜驚症、レム睡眠行動障害があり、夜驚症には心臓に疾患があると突然死してしまうことがありますが、夢遊病はどうなのでしょうか。夢遊病と聞くと、「夢の中での出来事の通りに動こうとしている」と思う方も多いかと思いますが、実際は眠りが深く夢を見ていない状態で発症するそうです。
『レム睡眠』『ノンレム睡眠』という言葉は何となくでも聞いたことはあるでしょう。レム睡眠は浅い眠りの状態で身体を休め、ノンレム睡眠は脳を休めます。ノンレム睡眠は眠りの深さに段階があり、浅い眠りから深い眠りまで4段階あります。そのノンレム睡眠の一番深い段階の間に夢遊病が発症します。
夢遊病は寝てからだいたい2時間程度で発症し、眠りが深いので大きな音でも簡単には目を覚ましませんし、本人が覚えていることはありません。夢遊病が生じているのは数十分程度なので、眠りが浅くなってくると再び通常の眠りにつきます。
夢遊病の症状は心臓に影響はあるの?
夢遊病の症状は人によって様々です。ただ歩き回るだけであったり洗濯や着替え、冷蔵庫を漁って何かを食べたりと日常で行うようなことも夢遊病が発症している時に行動をとります。寝てるのに洗濯したり着替えたりって、普通に考えたらかなり驚きですよね。でも夢遊病を発症しているとこんな行動をしてしまうんです。
また、これはさらに衝撃的な事実ですが、夢遊病によって人を殺してしまう事件が世界でも結構発生しているようで、夢遊病が発症し殺してしまった本人が無罪になるということもあるようです。
夢遊病の原因
夢遊病の原因ははっきりとは解明されていないのが現状です。子どもの夢遊病の場合、脳の睡眠をコントロールしてくれる機能が完全に発達しきっていないために、起こるのではないかと言われています。普通は脳が起きるときは脳のすべてが覚醒するのですが、夢遊病の場合には運動をコントロールする部分だけが覚醒し、意識の部分は寝たまま行動をとります。
ですが、明確にどの部分がコントロールできていて、どの部分ができていないのかも解明されていません。しかし親のどちらか片方が夢遊病の場合、子供も遺伝によって夢遊病が発症するということもあるようです。夢遊病の原因が解明されていないと先ほど書きましたが、夢遊病を引き起こす要因とされているのはいくつかあります。
ストレス
ストレスが溜まることによって、無意識的にそのストレスを発散させようとすることで、夢遊病が現れます。ストレスといっても肉体的なストレスではなく精神的なストレスです。
特にうつ病だったり自律神経失調症など精神的な病気を発症してしまうと、夢遊病が併発してしまう可能性は否定できませんし、ストレスを貯め込むことで夢遊病以外にも様々な病気を引き起こすこともあります。
なのでストレスを溜め込んでいる場合は、ストレスを解消しなければいけません。食事のバランスや軽い運動をするなど日頃の生活習慣を改善することでストレスは解消するはずです。
アルコール
アルコールを摂取することによっても夢遊病が発症してしまうことがあります。お酒を飲むことでアルコールを体内で分解するとアセトアルデヒドという有害物質が出現します。体内にアセトアルデヒドを分解する機能が低い人の場合はそれが血液に流れてしまい、頭痛や吐き気だったり、飲み過ぎると二日酔いなどの症状が起こります。
アルコールを摂取しすぎることで脳にも悪影響が及び、夢遊病になってしまうんです。アルコールが原因で夢遊病になっている場合は、お酒を控えるようにすることで解決できます。「全く飲まないのはきつい」という方は、せめて飲み過ぎない程度の量でセーブするようにしましょう。
外部の刺激
眠っている時に光だったり音などによって刺激を受けることによって、ノンレム睡眠に影響を及ぼし、夢遊病が発症するということもあるそうです。また、外部の刺激によって発症するのは大人の夢遊病の場合のみのようです。
自分でできる対処法はあるの?
明確な原因が解明されていないため、「これをすれば夢遊病は治る!」と断言することはできませんが、治る可能性のある対処法はいくつかあります。
子どもの夢遊病の対処法
- 睡眠環境を整える
夢遊病でうっかりどこかにぶつかったり、転んだりしてけがをする可能性もあります。そうならないようにケーブルやコンセントなどを抜いて引っかからないようにしたり、ガラスや硬い部分にぶつかってもいいように、柔らかいマットなどを置いておくと良いでしょう。
めんどうではありますが、寝ている間に大けがをしていたなんてことになる可能性もありますので、やっておいたほうが無難です。
- ストレスを解消させる
当たり前ですが、子どももストレスを感じますから、ストレスを解消してあげましょう。日頃からから叱っているという方は、少し優しく接したりするようにしてみてはいかがでしょう。
- 早く寝かせる
夢遊病が発症するのは、寝てから2時間程度経ってからと言われています。子供を早く寝かせれば、夢遊病が生じる時間も早まりますから親としては対処がしやすいですし、ぐっすり眠ることができます。夜遅くに寝かせてしまうと夢遊病が発症するのは夜中になりますから、そうなると親も寝ている時間なのですぐには対処できません。
大人の夢遊病の対処法
- ストレスを解消する
子供の場合と同じでストレスをためてしまうと、夢遊病の原因になります。子どもと違って大人は何かとストレスが溜まりやすいですから、うまくストレスを解消するようにしないとうつ病や自律神経失調症になる可能性も出てきます。
- なるべく早寝早起きをする
- バランスの取れた食事をする
- 軽い運動をする
- 入浴したりアロマを焚いてリラックスをする
- 趣味をする
などをやってストレスとうまく付き合っていくようにしましょう。
病院で治療する
子どもの夢遊病は成長するにつれて消えていくのですが、大人の夢遊病の場合は自然に消えていくというようなことはないので、治療しなければなりません。夢遊病を含む睡眠障害を見てくれる病院は、睡眠障害のクリニックや睡眠の外来が良いです。夢遊病を治療する場合は薬で治療することが一般的であり、睡眠薬や抗うつ剤を使って治療することが多いです。
しかし睡眠薬や抗うつ剤といってもさまざまな種類がありますから、独断で購入して服用するのは危険ですし、夢遊病に効果があるとは言えません。きちんと病院で医師と相談してから使用するようにしましょう。薬を使ったからといって、確実に治せるわけではなく、服用をやめるとまた再発してしまうこともあります。
夢遊病だとわかったら家族のサポートも大切。
夢遊病の症状
洗濯や着替え、何かを食べたりと日常的な行動をとったり、酷い場合には人を殺してしまうという危険な行動もすることがある。
夢遊病の原因
- ストレス
- アルコール
- 外部による刺激
夢遊病の対処法 子供の場合
- 睡眠環境を整える
- ストレスを解消する
- 早く寝かせる
夢遊病の対処法 大人の場合
- ストレスを解消する
- 病院で治療する
夢遊病は無自覚で発症し、けがをしてしまったり人を殺してしまう可能性があるとても怖い病気ですから、少しでも心当たりがあれば病院で薬を治療してもらうようにしましょう。また、家族がいるのであれば頼んでサポートしてもらうようにしたほうが良いですね。
大人の夢遊病はストレスからくる場合が多いです。忙しい毎日の中でストレスを解消していくのはなかなか大変だと思います。最近は日々のストレスを解消すると同時に体にストレスを溜めにくくなるサプリを試して元気になっている人もいるようです。
日中元気でいられる時間が増えれば、自然と睡眠の質もよくなっていくこと間違いなしです。