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手が痛い?!握れない原因は何?

人間が生きているうちに体の中で最も使うのは手です。手が痛いと感じたり握れないほどの痛みや、力が入らないなどの症状が起こると日常生活の中で少なからず支障をきたすのは確実です。今回は、手の痛みや手に力が入らない原因と症状についてお伝えしていきますね。

 

 

手のひらで起こる病気

手が痛いといっても手のひらだったり手の甲だったり、指先だったり様々かと思います。また、手首の捻挫だったり、料理の最中に指を切ってしまった場合は原因が明確なので、処置や治療も明確です。

 

しかし怪我した覚えもなく突然痛みを感じたり、気がつくと痛みを感じている場合は、なにかしらの病気の症状の可能性があるため注意が必要です。手の部分別に起こりうる病気について書いていきます。

 

毛根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)

毛根菅症候群は、手のひら側にある手首の骨と毛根管の中を通る正中神経(せいちゅうしんけい)が圧迫されることで、手の痺れや痛みを起こす代表的な疾患です。

 

正中神経は親指から薬指の半分までで、それより外側の薬指半分と小指の部分は範囲外なので痛みや痺れが伴うことはありません。手の酷使、妊娠によるむくみや女性ホルモンの影響によるもの、糖尿病やリウマチなどが主な要因となっています。

 

この症状が見られるのは主に中年以降の女性であることから、女性ホルモンによる影響がかなり大きいことがわかります。症状が初期段階であれば手首をサポーターなどで固定して、安静にしていることで治療することができますが、症状が進行している場合には手術をすることになる可能性もあります。

 

ドケルバン病

腱鞘炎(けんしょうえん)の一種で手首の母指側の腱鞘と通る腱が炎症を起こしている状態です。ドケルバン腱鞘炎は親指を動かす時に痛みが生じるので、物を掴んだり持ち上げたりするのは難しいです。手首の親指側や手のひらの親指側が痛みが生じる範囲です。

 

毛根管症候群と同じように女性ホルモンの乱れにより発症しやすいです。また、近年ではITの急速な普及によりスマホやパソコンによって、親指を酷使しがちなためドケルバン病を発症しやすい原因となっています。

 

肘部菅症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)

薬指の半分と小指の中を通っている尺骨神経(しゃっこつしんけい)の圧迫などよって起こる神経障害です。薬指と小指の痺れや曲げ伸ばしの際の違和感を感じ、ひどい場合は筋肉がやせ細ります。また、内側のくるぶしを叩くと指先まで痛みを感じます。

 

原因は様々ですが、外傷による肘の変形、腫瘍や骨棘(こつきょく)などが肘部菅症候群になる主な原因です。

 

デュピュイトラン拘縮

手のひらの腱が浮き出てコブ状のものができ、皮膚が引きつられて伸ばしにくくなる症状です。小指や薬指がなりやすいです。痛みはあまり感じませんが、関節の動きが悪くなり、指を曲げたり物を掴むのが困難になります。原因は不明ですが、高齢の男性や糖尿病患者に多く見られるようです。

 

手の甲で起こる病気

手のひらの部分でも書いた毛根管症候群、ドケルバン腱鞘炎、肘部菅症候群、デュピュイトラン拘縮の4つの病気は手の甲でも起こります。さらに以下の2つの病気も起こりえます。

 

中手骨骨幹部骨折(ちゅうしゅこつこっかんぶこっせつ)

中手骨は手の中央にあり、手の甲を構成している骨のことを言います。また、中手骨の中央部を骨幹部と呼び、この中手骨の骨幹部を骨折した状態のことを中手骨骨幹部骨折と言います。

 

症状は手の甲に腫れや痛みがみられ、折れた骨指が動かしづらくなる、または動かすと痛みが強まるなどの症状も見られます。治療せずに放置していると骨が変形したり骨が短くなる危険性もあります。日常生活での転倒時に手をついた時やスポーツで強い力が直接骨に加わった時などが中手骨骨幹部骨折の原因となります。

 

ガングリオン

関節付近にできる腫瘍のことです。ガングリオンは手の関節の周辺にできるのがほとんどですが、手以外にも膝周辺にできることもあります。指でほぐしたりすると痛みが引きますが、時間が経ちと再び硬くなり、大きくなったり痛みがまた生じることもあります。原因は未だに解明されていないようです。

 

指先や関節で起こる病気

手のひら、手の甲でも書いた毛根菅症候群、肘部菅症候群は指先でも起こります。さらに以下の4つの病気も起こる可能性があります。

 

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)

胸郭出口症候群は、胸郭の出口周辺で腕神経叢や血管の圧迫によりおこります。腕をあげるときに腕のしびれや肩甲骨に痛みが発生することがあり、肩こりや手の血行が悪くなり細かい作業がしにくくなります

 

この症状は男女ともに起こりますが、女性でなで肩の人は特に多く、これはなで肩で鎖骨にある鎖骨下動脈が圧迫されやすいためです。原因は首にある斜角筋の圧迫、胸にある小胸筋の圧迫などが主な原因です。

 

ひょうそ

ひょうその正式名称は化膿性爪囲炎(かのうせいそういえん)で、爪の周辺が化膿することにより炎症を起こします。手足の爪周辺の指先が赤く腫れ、痛みを感じます。爪の周りに白い膿が溜まったり、炎症がひどい場合には指関節にまで膿が広がり、指が曲げづらくなります

 

指先が荒れたり傷があることで、黄色ブドウ球菌、化膿レンサ球菌などに感染することが原因で発症します。調理師や清掃業者、巻き爪なども原因となる可能性があります。

 

バージャー病

正式名称は閉塞性血栓血管炎(へいそくせいけっせんせいけっかんえん)で、手足の末梢動脈の内膜が炎症を起こし、動脈が閉塞することにより血流障害を起こす病気です。

 

手足の指先にしびれや痛み、患部の蒼白化などが起こり、静脈が炎症を起こすと周辺が腫れていき、潰瘍を起こしたり細胞開始を引き起こす危険性があります。原因はわかっていませんが、喫煙や歯周病菌による影響ではないかと言われています。

 

糖尿病

生活習慣病の一つです。糖尿病の前兆として指先のしびれや痛みが起きます。血液中のブドウ糖の数値が上昇し血糖値が上がり、神経細胞が異常をきたすため、手足のしびれや痛みを起こします

 

症状が進行すると、手の感覚が鈍り運動機能も低下するため、物を掴んだり歩くことが困難になってしまいます。原因は遺伝子によるものもありますが、過食や運動不足、飲酒、喫煙、ストレスなど生活習慣病によるものが大半です。

 

バネ指

指の腱鞘炎の一種で、指の腱鞘に炎症が起きることによって、指の曲げ伸ばしが困難になります。妊娠中や産後の人や中年の女性に多く見られます。原因は指の酷使によるもので、パソコンやスマホを長時間触っていることが主な原因でしょう。

 

マレットフィンガー

指の第一関節が曲がり、伸ばせなくなります野球やバスケットボールなど球技のスポーツに多く、ボールが当たった衝撃により指先の骨が欠ける、または折れたりすることで起こります。突き指から発展することもあります。原因は末節骨の骨折と伸筋腱の断裂です。

 

変形性CM関節症

親指の付け根にあるCM関節が変形する病気です。親指の付け根や手首集権に痛みを感じ、ドアノブを回したりハサミを使う際に強い痛みを感じます。症状が進行すると物を掴むことが困難になります原因は親指の酷使や老化によるものが大半です。

 

へバーデン結節

人差し指から小指までの第一関節が変形することにより、腫れる病気です。第一関節の動きも悪くなり、痛みを伴うことで物を握る際に支障をきたします原因は不明ですが更年期の女性に多く見られるため、ホルモンバランスの変化や遺伝が関係しているのではないかと言われています。

 

関節リウマチ

自己免疫における疾患であり、自己免疫が関節に炎症を起こし、全身への影響することもあります。最悪の場合には関節が全く機能せず、動かなくなる危険性もあり、慢性化すると進行が早くなり痛みも増していくため放っておくと非常に危険です。原因は解明されていませんが、遺伝や細菌による影響ではないかと言われています。

 

痛風

血液の尿酸値が高い状態が続いており、次第に尿酸が関節組織に沈着し、関節内に離れた際に炎症を起こす病気で、激しい痛みが発作的に起こります手足の関節や膝、肘などの関節に炎症がおきたり、関節の変形、こぶができるなどの症状が起こります。

 

痛風が起こるのは男性が圧倒的に多いです。原因は血中の尿酸値が高まることで、肥満、高血圧、高脂血症、飲酒、ストレスなどにより発症しやすいです。

 

手に力が入らない症状から考えられる病気

ギランバレー症候群

ウイルスや細菌の感染で体内の細胞が攻撃されることで起こる病気です。下痢や風邪などから1週間経って、手足の力が入らない、飲み込むことができない、目や口を閉じることができないなどの症状が発生します。後遺症が残る場合もあります。原因は解明されていませんが、ウイルスや細菌による感染で症状が発生するのは間違いありません。

 

脳卒中

脳の血管が詰まることにより、細胞が壊死してしまったり、出血によって血腫が脳細胞を圧迫します。それにより脳から運動の指示が出せなくなり、力が入らなくなります。力が入らない症状の他、言語障害や意識障害、頭痛や吐き気などの症状も発生します。脳卒中は最悪の場合死んでしまうこともあるので、注意が必要です。

 

橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)

肘の外側から親指に向かって伸びている骨を橈骨と言い、橈骨神経は橈骨の周辺にあります。橈骨神経が圧迫されることにより、指や手首が伸ばしにくくなったり、親指や人差し指周辺に麻痺などの感覚障害が起こります。長時間の腕枕などで発症することも多いです。

 

筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう/ALS)

脳神経が異常をきたして命令をうまく送れなくなることによって、動けなくなる病気です。50~70代に多く見られます。片方の手足に力が入らなくなることから始まり、徐々に全身に力が入らなくなって動かなくなってしまいます

 

原因はまだ解明されていませんが、グルタミン酸が過剰である、神経の回復に必要な栄養分が欠乏しているなど複数の仮説が挙げられています。

 

最後に気をつけたいこと

手の痛みやしびれ、力が入らないと言ってもなんとなく思い当たるものもあれば、予期せぬ病気である場合もあります。病気によっては後遺症が残ったり、死んでしまう可能性もありますから「大丈夫だろう」と自分で判断せず病院へ行って診察してもらいましょう。

 

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