歯ぎしりの原因は?どんな対策や治療方法があるの?
友人や家族に歯ぎしりを指摘されたことがありませんか?また、朝起きると顎に違和感や痛みを感じたことはありませんか?歯ぎしりは自分では気づきにくいため、自分では自覚がなくても睡眠中に歯ぎしりしてしまい周りに迷惑をかけてしまっているかもしれません。今回は歯ぎしりの原因と対策について書いていきます。
歯ぎしりは体に負担がかかる
歯ぎしりは睡眠時のちょっとした癖だと軽く認識されがちですが、歯ぎしりによる体への負担はとても大きいことをご存知でしょうか。歯ぎしりによって体にかかる負担はなんど、自分の体重の数倍になるそうです。
そのため歯ぎしりするときの力があまりにも強いと歯がすり減ったり亀裂が入ったり、歯がぐらついてしまったり、最悪の場合には歯の根元が割れてしまう「歯根破折」になってしまう場合もあります。
歯根破折してしまうと治療の方法はないため、「抜歯して差し歯を入れる」などの処置をとるしかありません。しかし目に見えない程度の小さな亀裂や歯のぐらつき程度であれば、治療できる可能性は大いに高まるため、その場合には歯科へ通院しましょう。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりの原因としてよく言われるのがストレスですが、実際には明確な原因はいまだに解明されていません。また、ストレスだけではなく複数の病気が原因である可能性も考えられ、体質などで現れる症状に個人差があります。
ストレス
現代はストレス社会と言われているくらいですから、多くの人が人間関係や経済的な要因などによって、ストレスを感じて日々を過ごしています。そのため、誰でも歯ぎしりをしてしまう可能性は否定できません。
歯ぎしりはストレス解消行動として体に備わった機能とも考えられており、責任感が強い人や負けず嫌いな人、心配性な性格の人などのストレスをため込みやすいタイプの人は歯ぎしりをしやすい傾向にあります。
歯並びや歯のかみ合わせ
歯ぎしりは歯並びの悪さやかみ合わせの悪さが原因で起こることもあります。その他にも虫歯の治療後や抜歯後などにも症状がみられていますが、はっきりした原因は分かっていません。顎の筋肉の緊張のバランスが崩れたことが原因で歯ぎしりが起こるのではないかと言われています。
喫煙・飲酒
喫煙や飲酒も歯ぎしりの原因です。ただ喫煙や飲酒が歯ぎしりを起こす直接的な原因ではありません。歯ぎしりは眠りが浅い時に起こりやすいのですが、タバコに含まれているニコチンやお酒に含まれているアルコールが、眠りの質を浅くしてしまうため関節敵に歯ぎしりを起こしやすくする原因になってしまうのです。
喫煙者やお酒を飲む人は接種を控えるようにするか、適度な量に抑えるようにしましょう。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は胃酸が逆流して食道へ流れ、胸やけを引き起こす病気です。一見歯ぎしりとは何の関係もないように思えますが、実は歯ぎしりは胃酸の逆流を抑制する役割があるとも言われています。
歯ぎしりが多い逆流性食道炎の患者に胃酸の分泌を抑制する薬を処方したところ、睡眠時の歯ぎしりも減ったという症例もあることから、逆流性食道炎が原因になっているといえます。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は文字通り睡眠時に呼吸が止まることで、睡眠中の1時間の間に10秒以上睡眠が止まることが5回以上、7時間の間に10秒以上睡眠が止まることが30回以上ある状態を言います。睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病と深い関係にあり、肥満の人に多いとされていますが、痩せているのにも関わらず発症している人もいます。
原因はまだ解明されていませんが、アメリカの調査では睡眠時無呼吸症候群の7割の人は歯ぎしりをしている、という結果が出たそうで、歯ぎしりが続いた後に無呼吸の状態になるということが多々あるようです。
子どもの歯ぎしりは心配ない
歯ぎしりをする子供は多いですが、子供の場合は心配ありません。子どもの歯ぎしりは歯並びやかみ合わせによるものがほとんどであり、流用時から小学生くらいまでの間は、乳歯から永久歯に生え変わる成長過程のため多くの子供は歯ぎしりをします。
これは歯の生え変わりに合わせ、歯並びを整えたりかみ合わせを調整する生理的な行為です。なので、もし歯が欠けていたりすり減っているような場合でない限り、特に心配する必要はありません。しかし中学生以上になるとストレスが溜まり、大人と同じことが原因になっている可能性があります。
歯ぎしりを改善する対策は?
ストレスとうまく付き合う
歯ぎしりの主な原因としてストレスがあることは先述の通りですが、ストレス社会と言われている現代ですから、日常におけるストレスを今すぐに消すことはおそらく不可能です。ストレスの原因を消そうとするのではなく、何かをして解消することならだれでもできるでしょう。
仕事が終わったら自分の好きなことをしたり、ランニングなどの運動で軽く汗を流したり、マッサージやお風呂でリフレッシュしたりなどでストレスを解消しましょう。また、寝る前にスマートフォンやパソコンを触るのは脳や身体を緊張させてしまうため、寝る前の2~3時間前には触らないようにするのがベストです。
生活習慣の改善
お酒の飲みすぎや喫煙は睡眠を浅くし、歯ぎしりの間接的な原因になりますから摂取する量はほどほどにすることが必要です。また、ストレスによる暴飲暴食は逆流性食道炎の原因になり、歯ぎしりを引き起こしてしまいます。
その他にも生活習慣の乱れがストレスの原因となり、歯ぎしりの原因となる可能性は大いにあります。
- 睡眠時間や睡眠の質は悪くないか
- 食事の栄養のバランスが偏っていないか
- 適度な運動をしているか
など日頃の自分の生活習慣を見直して、改善余地があれば改善するようにしましょう。
マウスピースをつける
マウスピースを使用すれば歯と歯の摩擦や歯の消耗、騒音を防いでくれます。薬局などでマウスピースは売っており、1000~2000円程度の値段で買うことができます。
一番良いのは歯科へ行って型をとって、自分に合ったマウスピースを作ることです。この場合はオーダーメイドになるため、価格は市販のマウスピースに比べて保険適用の場合5000円程度で作ることができます。
歯ぎしりの矯正
歯ぎしりを矯正させる場合は、専門の矯正器具を使い歯並びやかみ合わせを治し、完治・改善させます。
矯正器具を使用し、歯に負担をかけない程度にゆっくりと少しずつ治療するため、治療後は80%以上の人が症状が改善されると言われているため、歯ぎしりの根本的な治療としてはかなり有効ではないでしょうか。ですが保険は適用外のため歯科によっても違いますが、だいたい30万前後が相場と言われています。
歯ぎしりは歯科で治療しましょう
歯ぎしりは睡眠中に起こることがほとんどですから、自分ではなかなか気づきません。しかし日々歯ぎしりをしていることによって歯や顎にダメージが蓄積されてしまい、歯が削れたり欠けてしまうこともあります。
また、顎を動かすことによって痛みが生じたり、顎関節症が引き起こされてしまったりと悪化すると怖い症状でもありますし、歯ぎしりすることによって歯が擦れ、そこから神経がむき出しになってしまい、知覚過敏になることもあります。
以上から歯ぎしりが原因となって引き起こされる影響はかなり大きいですから、歯ぎしりの治療は基本的に歯科で行ってもらいましょう。歯ぎしりの原因はストレスの場合は、歯科以外に心療内科へ受診されて見ても良いでしょう。