マイクロスリープって何?一瞬の睡眠って危険なの?
仕事中や会議中、いきなり意識が飛ぶことはありませんか?時間としては一瞬だったり数十秒だったり…眠気を感じた直後にガクッと自分の体の動きで意識が覚醒し、一瞬何が起きたかわからなくなってしまった経験は何回かはあるのではないでしょうか?この現象はマイクロ睡眠と言います。
瞬間的な睡眠で、数分寝てしまうのではなく一分に満たないくらいの時間意識を失うことをマイクロスリープと言います。このマイクロスリープはただの眠気と意識の緩みで起きてしまったと思ってしまいますがもしかすると体がSOSを出していたり、病気の前触れで起きているかもしれないんです。
気が付いたら寝ていた…何が起きているの?
マイクロスリープは目を閉じて眠ってしまうだけではなく目を開けた状態でも起きます。一瞬から数十秒という時間は変わりませんが、目を開けた状態で意識がなくなり話しかけられたりしても全く反応できない状態になります。その際の記憶はないことが多く再度意識を取り戻したときに呼ばれていることに気付きハッとします。
ドラマや本などでよくあるシチュエーションだと思います。意識的にぼーっとしてるわけではなく気づいたら意識を取り戻すというのがマイクロスリープの特徴になります。
マイクロスリープが慢性的に起きてしまう場合日常的に危険と隣り合わせになってしまう場合があります。自分の意志と関係なく起きてしまうので大事な会議で船を漕いでしまい印象を悪くしてしまったり、大切な話をしているのに相槌も打たずぼーっとしてしまったり…。
一番危険なのは自動車などの乗り物の運転です。数秒なら問題ないと思ってしまうかもしれませんがその数秒の間にガードレールやカーブ、停止線があったら大事故につながってしまいます。起きる場所によっては危険なマイクロスリープ、何が原因で起きてしまい、解決策はあるのでしょうか?
一瞬意識を失う現象は体からのSOS?
マイクロスリープは良くないことに思えますが体のリセットのために起きる場合もあります。悪いことだけではなく体の働きをよくしてくれるので一概に悪いことというわけではありません。
(1)脳のリセット
難しい話を聞いてるときや静かな場所にいると眠くなり一瞬意識を失ってしまうと思います。これは脳が難しい情報ばかりを脳に入れるため疲れが蓄積され休みを必要とするためマイクロスリープが起きてしまいます。
マイクロスリープから目覚めた後は脳がリセットされた状態になり新しく情報を取り入れられるようになります。一瞬意識を落とすことで緊張緩和のホルモンが分泌されたり、脳の活性化が期待されます。
(2)睡眠不足
人間は6時間~8時間の睡眠が必要とされています。しかし日々の仕事等が原因で睡眠不足をため込んでしまう睡眠負債が続いてしまうと自分自身は疲れを自覚していなくても体が限界を迎え無理やりに睡眠をとろうとしてしまいます。
自分ではまだ仕事をしようとしたり寝ている自覚がないため一瞬で起きてしまいます。また睡眠をしっかりとっていると思っていても、睡眠の質が良くないと体の疲れは残っているので睡眠不足と同じ状態になってしまいます。
マイクロスリープはまだ調査や研究がされている状態で症状や発症例は専門家によって見解は違います。一瞬意識を失っただけでマイクロスリープと呼ぶ場合もあれば脳波の検査をもってマイクロスリープと判断する等まだ確実なものになっていません。
なので一般的にマイクロスリープというものは認知が薄く、起きてしまっても放置する場合が多いのです。しかし日常的にマイクロスリープが起きてしまうと生活は仕事や人間関係にも影響してしまいます。
それにより精神的にも不安定になり睡眠時間が短くなったり睡眠の質が落ちてしまうことも…マイクロスリープが原因でうつ病などにになってしまうのは嫌ですよね。もしマイクロスリープが慢性して起きてしまう場合他の睡眠障害の危険性があるかもしれません。
睡眠障害の危険も…!?
脳の疲れや睡眠不足から一瞬意識を失ってしまうことは悪いことではありません。しかしこのマイクロスリープが日常的に起きてしまったり一日に何回も起きてしまう場合は他の睡眠障害等も併発してしまっている場合があるので気を付けましょう。またマイクロスリープ中にも危険な症状が起きている場合があります。
(1)ナルコレプシー
睡眠リズムが崩れてしまい日中でも強烈な睡魔に襲われる睡眠障害の1つです。人間はレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返し体を休めますが順番が乱れ深い眠りにつけなくなってしまいます。
他にも金縛りや悪夢などの症状も出るため自覚はしやすいですが、しっかり睡眠をしているのにも関わらず日中の強烈な睡魔が続く場合ナルコレプシーの初期症状かもしれません。
(2)低酸素症
呼吸をする際に人間は酸素を取り込みます。酸素は人間が動くのにとても大切なものですがこの酸素が十分に体にいきわたらないと脳が酸欠状態になり一時的に体の動きが鈍ってしまい活動をしなくなります。
それによりマイクロスリープが起きてしまいます。大体であれば時間とともに回復するのでそこまでの心配はいりませんが悪化すると呼吸機能に異常が出たりするため注意が必要になります。
(3)ジャーキング
これは睡眠障害ではありませんがマイクロスリープをしているときに必ずと言っていいほど一緒に起きる症状です。寝てしまったときに体がびくっとなると思います。これがジャーキングです。
座った状態などの不安定な姿勢で寝ていたり、声をかけられたりするとこの上場が起きてしまいます。睡眠の準備をしていない状態で睡眠に入ろうとすると脳が不安定な状態になります。体が深い眠りに入ろうとする瞬間に、脳が覚醒しようとするため体が痙攣してしまいます。
このジャーキングはしっかり睡眠の環境が整っている場合に起きても何の問題もありませんが、仕事中等の座っている状態に起きてしまうと、物を落としてしまったり体をどこかに打ち付けて怪我をしてしまったり、危険と隣り合わせになってしまいます。
マイクロスリープは予防できるの?
マイクロスリープは意識的にやっているものではないので阻止することはできません。しかしマイクロスリープによるトラブルを避けるためにする予防法はあります。完全になくなるわけではありませんがいきなり意識を失って普段の生活に支障が出ないようにしましょう。
(1)睡眠時間をしっかり確保する
睡眠不足を自覚している場合はしっかり睡眠時間を確保するようにしましょう。仕事や家事などやらなきゃいけないことはたくさんあるかもしれませんが、仕事のやりすぎで仕事に支障が出てしまったら意味がありません。
毎日は無理でもできるだけ多めに睡眠時間をとります。その時に自分に合った寝具を使ったり寝る前に飲食しないようにすると睡眠の質も上がります。
(2)先に仮眠する
脳や体が限界状態になって意識を失ってしまうのがマイクロスリープの特徴です。先に休息をさせてあげることにより大事な場面で意識を失ってしまうことはなくなるでしょう。先に睡眠をとることで大切なのは眠気が来てから寝るのではなく自分のタイミングで眠ることです。
眠気が来てしまった状態はすでに体が疲労している状態です。少しの睡眠では満足出来なくなってしまいます。眠くなる前に15分ほど仮眠をとりましょう。目を閉じるだけでも脳に休息を与えることができます。
またあまり遅い時間に仮眠をすると夜の睡眠に影響が出てしまうので15時くらいまでに終わらせるようにしましょう。
(3)仮眠する前にカフェインをとる
カフェインには脳を活性化させ、目覚めをよくする働きがあります。カフェインは摂取してから20分~30分ほどで覚醒効果が出るので過眠から目覚めやすくしそのあとも寝ないようにするためには睡眠前にカフェインをとることが大切です。
睡眠はしっかり取ろう
マイクロスリープは自分の意志とは関係なく、一瞬から数秒の間意識を失うことです。原因としては睡眠不足や体の疲れが蓄積し限界を迎えることにより意識を失うために起きると言われています。また脳に入ってくる情報量が多いといったん脳のリセットをするため睡眠状態になります。
一般的には危険なものではありませんが慢性的に起きてしまう場合は睡眠障害などの危険性もあります。
- ナルコレプシー
- 低酸素症
またマイクロスリープと必ずと言っていいほどジャーキングという症状が起きます。体がびくっとする現象です。職場や座った状態でジャーキングが起きてしまうとものを落としてしまったりけがをしてしまう場合があるので注意が必要です。
マイクロスリープにならないようにするには体をしっかり休めることが大切です。
- 夜の睡眠をしっかりとる
- 眠気が来る前に先に仮眠する
- 仮眠前にカフェインをとる
マイクロスリープが悪化してしまうと車の運転や仕事をするのも厳しくなってしまいます。日常生活に不便が出る前に病院に行きましょう。
マイクロスリープだけではなく、そのほかの睡眠障害も睡眠リズムや体内リズムの乱れから起きてしまいます。仕事中等の大切な時に眠気で集中力が散漫にならないように日頃の睡眠をより良いものにしましょう。規則正しい生活をしていれば睡眠の質も良くなります。