関節が痛いのに熱がないのはヤバイ!?ただの風邪じゃないかも
寒さを感じる季節になると朝起きて関節が痛いと感じる事があります。しかし熱はなく「風邪だと思ったのに…」と不思議に感じる事がありますが、もしかしたら風邪よりもっと大変な病気の引き始めかもしれません。
風邪による関節痛
風邪の原因は体内にウイルスが侵入するためですが、それを察知して体内の白血球がサイトカインというタンパク質を分泌します。サイトカインは免疫の調整や細胞の増殖など、様々な疾患の発症の抑制をしてくれる役割を持っているため、それによって体をウイルスから守ろうとするわけです。
しかし、その際にサイトカインが過剰に分泌されることがあり、サイトカインの過剰な分泌はウイルスを殺すだけでなく、臓器の機能不全に陥ってしまう危険性があります。その過剰な分泌を抑えるため、臓器のバランスを保つ働きのあるPGE2が分泌されます。
PGE2もウイルスと戦う免疫作用があるのですが、それと同時に関節痛を起こす物質でもあります。これは裏を返せば免疫作用が働いている証拠なので、無理に痛みを抑えようとしないで、安静にしてゆっくり休むことでより早く完治しやすいです。
関節痛に効く風邪薬もあるので、そのような薬を飲んでもいいですし、ペパーミントやラベンダーなどを配合したアロマオイルにも鎮痛作用があるので試してみてもいいと思います。
熱がないのは単なる風邪じゃないから!?
熱がなく、関節痛のほかに寒気や頭痛がする場合は、単なる風邪のひき始めの症状です。しかし風邪でも人によって症状は多少違いますし、その時によって関節痛や寒気など他の症状と同時に熱が出るとは限りません。ただ初期段階として関節痛や寒気がしているだけで、時間差で熱がやってきます。
例えば朝は身体の節々が痛いと思っていて、夜にかけて段々熱が上がってきた、というようなズレは結構あります。インフルエンザの場合でも関節に痛みを感じることはありますが、発熱がズレるということは基本的にありませんし、時間差があるとしてもせいぜい数時間程度です。
予防接種を受けていたり、発症前に解熱鎮痛剤を服用していたりするとインフルエンザB型は発熱しにくいため、発熱に至らず関節痛や悪寒などの症状で治る可能性があります。
これらの場合インフルエンザであるとは気づきにくいですが、他の人に移すといけないので全身が関節痛を感じたり、倦怠感、悪寒、咳、鼻水、喉の痛み等があれば病院へ行って診察してもらった方が良いですね。
風邪じゃなくて関節の病気かも
熱以外に風邪っぽい症状が出たとしても、もしかしたら風邪ではなく膠原病(こうげんびょう)による症状かもしれません。膠原病とは若い女性がなりやすい病気です。
- 関節や筋肉に痛みなどをの症状が現れるリウマチ性疾患
- 免疫に異常が見られる自己免疫疾患
- 細胞間の結合組織に異常をきたす結合組織疾患
この3つの疾患が重なった病気です。膠原病に含まれている病気は複数あり、症状は様々です。
膠原病の主な特徴
- 関節や筋肉に痛みを感じる
- 細胞の炎症により病気が発症する
- 免疫の異常
- 遺伝や伝染はしない
- ステロイド薬は効果があるが抗生物質は効かない
などがあり、明確な原因は解明されていませんが免疫の異常が発祥の役割を果たしているのではないかと言われています。膠原病には発熱せずに関節痛になる病気と発熱とともに関節痛になる病気があります。
◆発熱せずに関節痛になる膠原病はいくつかあります。
- 全身エリテマトーデス
- 多発性筋炎
- 強皮症
- 混合性結合組織病
- シェーグレン症候群
- 骨肉腫
- 変形性関節症
これらの症状は発熱せずに関節痛を引き起こします。
◆発熱とともに関節痛になる膠原病
- リウマチ
- アレルギー性肉芽腫性血管炎
- 結節性多発動脈炎
などがあります。熱が出ると風邪だと思うのが普通ですが、熱が出る関節痛もあるんです。ややこしいですね。
風邪による関節痛の治し方は?
漢方薬、風邪薬を使う
風邪による関節痛には薬を使うのが最も有効です。風邪のひき始めであれば、漢方薬が一番ですね。葛根湯や麻黄湯などが寒気や悪寒のほか、関節痛にも効果があります。
漢方薬は炎症を抑え、症状を改善する働きがあり、もしウイルスを撃退できず症状が進んでしまった場合でも、交感神経を刺激する作用によって熱を上げ、ウイルスを弱らせて発汗を促すことをサポートしてくれます。
悪寒や鼻や喉に違和感を感じた場合には、なるべく早く服用することで、早く症状が治ります。発熱の症状が既に出ている場合や汗っかきな人や胃腸が弱い人は向いていません。
その場合は風邪薬を服用しましょう。風邪薬は喉や鼻の症状のみに使うというイメージがありますが、風邪薬のパッケージの効果の部分には関節痛にも効果があると書かれているものが多いです。
ウイルスが侵入することで体力は奪われやすくなり、免疫力が低下してしまうので漢方薬や風邪薬を使って、ウイルスと戦う体の手助けをするのが最も早く完治する有効な手段です。
また、関節が痛いならシップを貼ればいいんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、上記の通り風邪による関節痛はウイルスと戦おうとしたために起こる症状のため、シップを貼っても意味はありません。
免疫を上げる
ウイルスを撃退するにはやっぱりしっかりと休むことが重要です。休んで免疫力を高めることによって、ウイルスを倒すことができます。
睡眠を取る
睡眠をしっかりとっていないと、免疫力は低下してしまいます。睡眠時間は人によってことありますが、成人であればだいたい6~8時間程度の睡眠をとることで免疫力は上昇します。
睡眠のタイミングも大切で体温が下がり始めると眠気を感じて、入眠しやすくなります。なので入浴してから、だいたい3時間くらい経過した時が良いですね。また、眠りの質も重要です。長時間寝ても疲労感が残っていたりすると、免疫力はあまり上がりません。
体を温める
体を適度に休めるのは基本です。ただ汗が出るくらいまで温めるのは逆効果です。体の水分が出て行ってしまいますし、ウイルスと戦う免疫力が低下して体力を消耗し、疲れてしまいます。
ウイルスは乾燥が大好物ですから、保湿しつつ体を温めて、水分補給するようにしましょう。無理でなければ入浴もした方が良いですが、熱がある場合はやめましょう。
免疫力を高めてくれるものを飲食する
- バナナ
バナナは白血球の数を増やして、免疫の機能を高めてくれます。
特に見た目は悪いかもしれませんが、熟したバナナの方がより多くの白血球の数を増やしてくれるので、おすすめです。
- ヨーグルト
ヨーグルトは腸内の善玉菌を増やして免疫力を高めてくれます。
ただ、ヨーグルトに含まれている菌は排泄されてしまうので、毎日食べなければいけません。
- かぼちゃ
かぼちゃはベータカロテンが含まれているため、粘膜等の細胞を強化し、免疫力を高めてくれます。
- 納豆
納豆にはサポニンという成分が含まれており、この成分は免疫細胞の餌になるので、免疫力の上昇につながります。
関節の痛みは風邪のサインでもあり、膠原病のサインでもある可能性があることもわかりました。軽い症状や熱がないから大丈夫だと思わずに、念のため病院で診察してもらうのが確実でしょう。その後の症状の悪化を事前に防ぐことができます。
風邪かと思いきや関節痛だったという場合もあります。関節痛は体をしっかり休めないと治りません。充分な睡眠や体を温めることで体の免疫力を高め、漢方薬や免疫力を高めてくれる食材を取るようにしましょう。疲れがたまってしまった状態が低下しがちになってしまいます。
疲れた体のままがんばるのは大変だという方に事前にたまった疲れを解消してくれるサプリがあります。体に元気を与えてくれるので疲労を感じにくくなっていきます。疲れに負けない免疫力の高い体を作りましょう。