睡眠環境によって睡眠の質は決まる?睡眠薬に頼らず寝付く方法!
「なかなか眠れなかったけど睡眠薬を服用したら、良く眠れるようになった」という人は結構いるのではないでしょうか。しかし、睡眠薬を服用していてもそのうち体の中で耐性ができてしまい、効果が徐々になくなってきてしまいます。
睡眠環境を整える
睡眠薬に頼らず睡眠の質を良くする必要があります。中でも大切なのは『睡眠環境』です。良質な睡眠をとるためには様々ですが、睡眠環境を整えることはかなり重要になります。睡眠環境と言っても寝具や光、匂い、睡眠を害するものの排除などいろいろあります。
これらを徹底することで良質な睡眠をとることができますから、短時間の睡眠でもスッキリと目覚めることも可能でしょう。現代の世の中は誘惑でいっぱいです。外へ行けば娯楽で溢れかえっていますし、自宅にいてもスマートフォンを開けば暇つぶしになるものや役に立つものがぎっしり詰め込まれています。
布団の中でもスマホを触ったり、ぼーっとなにか考え事をしてダラダラと過ごしていることはないでしょうか。そのせいでなかなか寝付けなかったり、気がついたら時間が過ぎていたという経験がある人も現代では多いと思います。この原因は寝室を眠るためだけの部屋にしていないからです。
寝室は眠るためだけの聖域にする
『パブロフの犬』という言葉をご存知でしょうか。1902年にパブロフという博士が、犬にえさを与える際に必ずベルを鳴らすようにした結果、えさがなくてもベルを鳴らすと犬がよだれを垂らすようになった、というものです。
これは条件反射という訓練や経験をすることで起こる現象で、梅干を見ると唾が出てくるというように人間でも条件反射は起こります。『寝室を眠るためだけの聖域』とすることで布団を見るだけで眠るなる、くらいの条件反射を起こすことも可能です。やることは簡単です。布団に入ったら
- 眠ること以外しない
- 眠りに関係ないものは一切持ち込まない
- どうしても眠れない場合は布団から出る
この3つを守ることです。布団に入ったらスマホを触る、考え事をする、本を読むなどなど眠る以外のことをしてはいけません。また、眠りに関係ないものを持ち込んでもいけませんし、布団に入って30分以上眠れない場合は布団から出るようにしましょう。
そうすることで脳が『布団=眠るところ』と認識してくれるようになります。光をできるだけ全て遮断する。眠る際に光を浴びてしまうと睡眠の質が下がってしまいます。豆電球程度の光でも同じです。
また、光を認識するのは目だけでなく、皮膚も光を認識します。目の網膜にある光を認識するロドプシンという物質は皮膚にもあり、たとえ目を隠してい光を遮断していても光に当たることで皮膚が感知して脳や内蔵に通達して、体が起きてしまいます。
光に当たることで眠るときに必要なホルモンであるメラトニンが減少してしまいます。メラトニンは分泌されることで眠気が促進されて、眠りにつきやすくなりますから、メラトニンが減少することで睡眠に悪影響が出てしまうんです。
人間は本来日が昇ったら活動して、日が沈んだら休むというように体内で睡眠サイクルが設計されていますし、昔はそのような暮らしをしていました。しかし、電気が普及するようになり今では24時間365日、昼夜問わず明るい状態を保てるようになりました。
昔と違って暗い間も光があるわけですから、睡眠のサイクルが狂ってしまうのは当然ですよね。光を遮断するには光を発するものを寝室から全て排除すること、遮光カーテンを使用することが大切です。
光を発するものを排除するというのは当然ですよね。光がでるんですから。遮光カーテンは外の光を遮断するためです。外の街灯や車のライトにはLEDが使われていますが、このLEDは光の中でも特に睡眠に悪影響を及ぼすため、遮光カーテンで完全遮断することが最も良いですね。
睡眠薬に相当する香りを嗅ぐ
香りも睡眠環境において重要です。香りを嗅ぐことで自律神経のひとつである副交感神経が優位になって、リラックスして眠りにつきやすくなりますし、香りによっては睡眠薬相当の効果をもたらすものも存在します。「なかなか寝付けない」というときや不眠症の人には特に効果的です。
アロマオイルとしてラベンダーやセドロールが科学的にも効果が証明されているため、試す価値はあると思います。ラベンダーが睡眠に効果的というのはかなり有名ですが、これはちゃんと効果があることが証明されていて、最近では医療機関や介護施設でも使用されています。
イギリスの病院では、睡眠薬を常用している患者にラベンダーを嗅いでもらった結果、睡眠薬無しでも眠りが深くなった上に深夜徘徊しなくなり、昼間に眠気を感じることが減ったそうです。セドロールはなかなか聞かない名前ですが、ヒノキ科などの樹木の香りに含まれているもので店に行けばアロマオイルとして売られています。
セドロールを眠る2時間前と眠った2時間後に嗅いでもらった結果、普段より眠るまでの時間が45%早くなったそうです。
寝具や眠る服装を適したものに変える
眠るときの布団やベッド、枕を自分の体に適したものにすることも睡眠の質を高める上では大切です。布団もベッドもマットレスの硬さが睡眠の質を高める上で鍵になります。マットが柔らかすぎると腰が沈んでしまい、寝返りしにくくなってしまいます。
また、硬すぎると体が接している部分と接していない部分が出現するため、寝ている間に負担がかかってしまいます。また、枕の場合は首が沈まず、適度な弾力があるものが良いです。枕が高すぎても呼吸がしづらくなってしまいますし、低すぎても首が沿ってしまいますから負担がかかります。
また、眠るときの服装も重要です。『寝室は眠るためだけの聖域にする』の部分でも書いたように、眠るときだけパジャマに着替えることも、体や脳に眠るぞと認識させるのに有効です。部屋着のまま眠るという人もいるかもしれませんが脳や身体が認識されませんし、部屋着だと体が少なからず締め付けられてしまいますから良くありません。
眠るとき、起きるときでメリハリをつけることが大切です。また、パジャマは締め付けられず緩いものを着用するようにしましょう。パジャマだけでなく下着も緩いものを着用すればより良いです。
締め付けが強いと、体内の老廃物をの管理や免疫において重要な役割を果たすリンパ系の流れを遮断してしまうため、睡眠どころか身体にも悪影響を及ぼしてしまいます。
睡眠を害する行動を排除して睡眠の質を上げる
睡眠を良質にしてくれるものはいろいろありますが、睡眠を悪質なものにするものはたくさんあります。その睡眠に悪質なものを排除することで、睡眠の質を高めることができます。
スマートフォンやパソコンを触らない
スマホやパソコンを見ることでブルーライトが放出されて、睡眠に必要なホルモンのメラトニンが減少してしまい、眠りにつきにくくなってしまいます。少なくとも眠る前の1時間半前頃にスマホやパソコンを見るのをやめれば、眠りの質を妨げられず眠ることができます。
カフェインを取らない
コーヒーや紅茶に含まれているカフェインは覚醒作用があるため、せっかく眠ろうとしている脳が起きてしまい、眠りにつきにくくなってしまいます。眠る6時間前にコーヒー1杯を飲んだだけでも睡眠の質は害されるので、珈琲や紅茶が好きな人は眠る6時間前には控えるようにしましょう。
食事
寝る前の食事も睡眠には悪影響を及ぼします。脳や体が眠ろうとしているのに食事を摂ることで、胃腸が食べ物を消化しようと動き始めてしまいます。眠っているときにも胃腸動いてしまい、睡眠の質は下がってしまいます。胃腸が食べ物を消化するのは少なくとも3時間はかかるため、眠る3時間前には食事を済ませるようにしましょう。
以上のような睡眠の質が下がる行動を排除していった上で、
- 寝室は寝るためだけの場所にする
- 光をできるだけすべて遮断する
- 睡眠薬に相当する香りをかぐ
- 寝具や寝る服装を適したものに変える
睡眠環境を整えることで、睡眠薬に頼らず睡眠の質を向上させることができます。より良い睡眠をとることができるように1つずつ改善してみましょう。