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寝る前にカフェインを摂っても寝れるなら問題ない?カップ1杯分でも睡眠に影響を与える!

コーヒーや紅茶、栄養ドリンクなどに含まれているカフェイン。「寝る前にカフェインを摂取すると眠れなくなる」ということはもはや常識として知られています。中には「別にコーヒーとか紅茶飲んでもすぐに寝れるから自分には関係ない」という人もいるのではないでしょうか。

 

そういう方がいることを考えると、カフェインも人によって効き目に個人差があって平気な人がいるのかなって思いますよね。カフェインに耐性が強く平気な人は本当にいるのでしょうか。実際のところはどうなんでしょう。

 

 

寝る前にコーヒーを飲んでも眠れるなら問題ないのか

少量のコーヒーでも睡眠を害する可能性は極めて高いんです。アメリカのメディカルスクールの准教授であるドレイク博士は、カップ1杯程度のコーヒーでも、飲むことで睡眠に悪影響を与えると述べています。さらに、コーヒーを飲む時間を眠る6時間前、3時間前、直前に分けて飲んでもらう実験をした結果、すべての人に睡眠が阻害されていたことがわかりました。

 

睡眠が阻害されていた本人たちには、睡眠に影響があったことに自覚はなかったのですが、眠る6時間前でも眠る時間が1時間ほど短くなっていました。そのため、例え夜の12時に寝るとしても夕方の6時には飲むのを控えないと、睡眠の質が低下してしまいます。

 

なので尿意も感じず普段通り眠れるとしても、自覚がないだけでコーヒーを飲むことで睡眠に影響を及ぼしている可能性は極めて高いと言えます。また、カフェインの効力が消えるのには長い時間が必要です。

 

カフェインが減っていくのにかかる時間は人によって違いますが、だいたい5~8時間程度と言われていて完全に消えるのには、数日かかってしまう場合もあるため、毎日1杯でも飲んでいたら気づかぬうちに徐々に睡眠の質が下がっているかもしれませんね。

 

カフェインによって眠れなくなるメカニズム

『カフェインは眠れなくなる』ということは知っていても、なんでカフェインを摂取することによって眠りにつけなくなるのか、というメカニズムについては知らない人は多いですよね。どういうメカニズムでカフェインを摂取することによって眠れなくなるのでしょうか。

 

人間は夜になると『アデノシン』という物質によって自然な眠気が生じるのですが、珈琲や紅茶などからカフェインを摂取することで、その眠気を邪魔してしまい眠気が消えてしまいます。

 

寝る前にコーヒー1杯くらいなら全然平気という人でも、何杯も飲む生活を続けていると睡眠のサイクルがずれてしまったり不眠症になる可能性もありますから、自分に関係ないと思ってはいけません。

 

また、アデノシンには腎臓への血流を低下させて尿意を抑える働きがあるのですが、カフェインによってこの働きも邪魔されて、腎臓への血流が促進され尿意を感じてしまいます。『カフェインには利尿作用がある』というのもかなり知られていますよね。その利尿作用にはこんなメカニズムがあるためなんですね。

 

カフェインによってアデノシンの働きが邪魔されてしまうと、眠気が消える上に尿意をもよおすため、眠っている間にトイレに行く回数が増えてしまいますから、睡眠の質は低下してしまいます。また、珈琲や紅茶などからカフェインを摂取することにより、アデノシンの働きが阻害されてストレスホルモンが増えてしまいます。

 

ストレスホルモンが溜まっていくことで、カフェインの他にも睡眠の邪魔をするコルチゾールとアドレナリンというホルモンが分泌されてしまいます。コルチゾールは本来、起きて活動的にしてくれてなおかつ睡眠のサイクルを整えるのに必要な存在なのですが、夜に分泌されてしまうとリラックスできず眠れなくなってしまいます。

 

アドレナリンは聞いたことがあるという人も多いかと思います。アドレナリンは興奮状態に分泌されるホルモンで、スポーツでも本来病院へ行かないといけないような大怪我でも、アドレナリンによって痛みがあっても普段のようにプレイできるというようなすごい役割を持っているホルモンです。

 

ですが、眠ろうとしているときに、アドレナリンが分泌されてしまうと興奮状態になり、眠れなくなってしまいます。また、アドレナリンが分泌されることによって、ストレスホルモンもさらに増えてしまいますから、より眠りにつきにくくなってしまいます。それによって脳や体がうまく休むことができず、疲れを溜めてしまい不眠症になるという可能性もあります。

 

カフェインに依存しない

コーヒーとか紅茶って美味しいですよね。美味しいしリラックスできるものだからこそ中毒性がありますから、飲みすぎちゃって睡眠に悪影響を及ぼしてしまいます。

 

コーヒー好きや紅茶好きな人に「カフェインは睡眠の質を低下させて良くないから、飲むのは控えたほうが良い」なんて言われても難しいですし、人によっては「睡眠より珈琲や紅茶を選ぶ」という人もいるかもしれません。

 

珈琲や紅茶などを過度に摂取することでカフェイン中毒になると、頭痛が起こりやすくなります。カフェインには血管を収縮する働きがあり、カフェイン中毒になると過度に摂取することで血管が細くなっていて、カフェインを摂取し続けている状態が当たり前の体になるため、カフェインを摂取しなければ、血管が拡張してしまい頭痛を引き起こしてしまいます。

 

さらにカフェインはエネルギーにはならず集中力を落とし、カフェインが切れたらすぐにまた摂取しようとします。この症状を見ると麻薬と似ていますよね。依存性の高さがカフェインにあることがわかります。

 

しかし過度のカフェイン摂取によって頭痛がするほどのカフェイン中毒になっている場合、いきなり飲まないようにするというのは、頭痛がしてしまいますから不可能です。時間をかけて徐々に減らしていくことが最も良いです。コーヒーであれば緑茶だったり、アールグレイなどの紅茶に変えるというような感じで、カフェインが今飲んでいるものよりも少ないものを飲むようにしましょう。

 

また、飲む時間を決めるというのも良いですね。なるべく夕方以降は特に睡眠に影響を与えてしまいますから、昼間の3~4時くらいまでが睡眠に影響を与えにくくて良いのではないでしょうか。なるべくカフェインは控えたほうが良いですが、珈琲や紅茶も飲みすぎなければ問題はありませんから、適度な量を美味しく飲めれば良いですね。

 

しっかり寝るために、カフェインを控えよう。

カフェインを摂取することで、眠気を促したり尿意を抑える働きのあるアデノシンの邪魔をしてしまう上に、コルチゾールやアドレナリンなどのホルモンを分泌して興奮状態になってしまいますから、睡眠に悪影響及ぼします。アメリカの実験では眠る6時間前でもコーヒーを1杯飲むことで、睡眠が害されてしまい本人は自覚がないということが判明しました。

 

そのため、「コーヒーを飲んでも眠れる」という人でもカフェインを摂取することで、寝付きが良くても浅い睡眠になっていたり疲れが取れていなかったりして、気づかないうちに睡眠に悪影響を及ぼしているんです。

 

また、カフェインが減っていくのには5~8時間程度時間がかかり、消えるのには数日かかってしまう可能性もありますから、自己判断で大丈夫と思って寝る前にカフェインを摂取する習慣を続けているとよくありません。

 

習慣づいているとカフェイン中毒になりやすいですから、飲むのを控えるか飲む時間を決めるのが良いですね。カフェイン中毒の人であれば、今飲んでいるものよりもカフェインの量が少ないものを選ぶと良いです。

 

これだけカフェインによる影響を見ると「コーヒーや紅茶は悪いもの」と感じてしまいますが、飲む時間や飲む量を間違えなければ問題ないのではないでしょうか。紅茶やコーヒーなどカフェインが含まれている飲み物が好きな人もきっと多いですから、楽しく美味しく飲めれば良いと思います。

 

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