お酒を飲んだら夜中に起きる!1度起きるとなかなか眠れないその理由は?
『寝酒は良くない』という話は誰でも聞いたことがあるのではないでしょうか。眠れないからと言って、いわゆる寝酒をする人は多いです。確かにお酒を飲むことで眠くなりますし寝つきが良くなりますが、その分トイレに行きたくなって起きる、とか起きたら目が覚めてしまったということありませんか?
なぜ寝酒することによって睡眠に影響があるのでしょうか。また、眠れないからと言ってお酒に頼ってばかりいると睡眠不足になったり、体調に影響が出ることもありますが、それはなぜでしょう。お酒に頼っている人がお酒以外で寝付けるようにすることはできるのでしょうか。
夜中に起きて眠れないのは睡眠が浅くなったため
飲酒によってアルコールを体内に入れると、分解されて有害物質であるアセトアルデヒドが出現します。さらにその有害物質であるアセトアルデヒドをアセトアルデヒド脱水素が分解してくれるのですが、このアセトアルデヒド脱水素酵素が人によって分泌される量が違います。
このアセトアルデヒド脱水素酵素の分泌量が少ない体質の人はお酒に弱く、分泌量が多い人はお酒に強いです。アセトアルデヒドを体内で分解しきれないと血液に流れていき、頭痛を引き起こしたり吐き気を催したりして、さらに脳が休むことができず眠りが浅くなってしまいます。
また、お酒の中でも特にビールは利尿作用が強く、眠っている時もトイレに行きたくなってしまいますから、これによっても眠りは浅くなり睡眠の質は格段に落ちてしまいます。
アルコールによって睡眠が阻害されてしまうことは研究でも明らかになっていて、お酒を飲むことによって眠っても脳や身体を完全に回復させることはできず、起きても疲れが取れなかったりします。
お酒を飲むことによって睡眠が阻害されるメカニズム
アメリカの大学の調査ではアルコールが睡眠を阻害するのは、『ホメオスタシス』という身体を安定に保つバランスが狂うためだそうです。お酒を飲むことによって眠気が生じるのは、アルコールが眠気を催す働きのあるアデノシンの濃度を高めるため、眠気が生じて眠りやすくなります。
しかしアルコールによってアデノシンの濃度が高まることによって、ホメオスタシスが狂い始めて、身体がバランスを保とうと活動し始めます。そのため、眠りはじめの最初は通常の健全な眠りより深い眠りにつくことができますが、その後は通常の眠りよりさらに浅い眠りになります。
また、お酒を飲んで眠る習慣を続けているとアルツハイマーの兆候が多くみられることもわかっているため、寝酒が身体に悪いということは明確です。
アメリカの『アルコホリズム』という雑誌の研究では、男女問わず体重に応じた量のお酒を飲んでもらい酔ってもらった結果、男性より女性のほうが睡眠中に何度も目が覚めた上に、目が覚めた時間が長く、睡眠時間が短いということが分かったそうです。女性のほうがアルコールを代謝するスピードが早いため、男性より寝付きも早いですがその分より眠りが浅くなるうえに、汗をかいたり不安を感じたりする可能性も高まるんだそうです。
酩酊状態=睡眠不足
お酒を飲み過ぎてかなり酔うと、脳や身体は睡眠不足と同じくらいの状態になります。眠気に襲われた状態で車の運転をするのは、飲酒運転するのと同じくらい運転能力が低下している状態です。これを実証している研究はたくさんあり、アルコールの血中濃度が0.08%の人と20時間寝ていない人の運転能力は同等のレベルだそうです。
日本でも海外でも飲酒運転に対しての取締や罰則は厳しいですが、眠気に関してはアルコールと違って数値化しづらく、客観的な判断をすることが難しいです。つまりお酒を飲んで寄っている状態は睡眠不足の状態と同じと言えます。運転で例えましたが、これらは日常の生活においても深く関係します。
寝酒を続けていることで眠りが浅くなり、睡眠の質が下がると睡眠不足に陥ってしまうと、その状態で仕事をしていてもお酒を飲んでいなくても酔っている状態とほぼ同じですから、日中に眠気が生じたり、集中力が低下してしまうため仕事のパフォーマンスは下がってしまいます。
また、仕事だけでなくても睡眠不足で疲れが取れなかったり、体調を崩してしまうかもしれませんし、寝酒をする習慣がついている人はそれでもお酒を飲んでしまって、さらに睡眠不足になる悪循環に陥ってしまいます。
お酒に頼らず健康的に起きる
寝酒によって睡眠不足になり、睡眠の質が下がっているならお酒を控えるようにして、睡眠の質を高める習慣を身につけるようにしましょう。
まずはお酒を控えるようにすること。
いきなりまったくお酒を飲まないというのは難しいですから、最初は飲む時間帯・飲む量を少しずつ変えると良いですね。また、周りにサポートしてくれる人がいるのであれば、お酒の管理をしてもらったりするとより早く寝酒の習慣を改善することができるのではないでしょうか。
お酒を飲む習慣を改善した上で睡眠の質を高めてくれる習慣を身につけましょう。
眠る2時間前くらいになったらスマホやパソコンは触らない
スマホやパソコンから放射されるブルーライトは、眠りに必要なホルモンであるメラトニンを減少させてしまいますから、最低でも2時間前くらいには触るのをやめて消しましょう。
寝るときはすべての光を消して真っ暗にする
目だけでなく、皮膚も光を感じ脳や身体に知らせるため、豆電球程度の小さな光でも眠りを浅くしてしまいますから、すべての明かりを遮断して部屋を真っ暗な状態にして眠りましょう。
夕方以降は珈琲や紅茶などのカフェインを摂取しない
カフェインは眠る6時間前にカップ1杯程度でも眠りに影響出ることがわかっていて、カフェインが完全に消えるのには数日かかることもあるようですから、最低でも夕方以降にコーヒーや紅茶を飲むのは控えるようにしましょう。
眠る3時間前には食事を済ませる
食べたものを胃腸が消化させるのにかかる時間は大体3時間と言われていますから、眠る3時間前には食事を済ませて何も食べないようにしましょう。
睡眠を促進させる香りをかぐ
アロマオイルとしても売られているラベンダーやセドロールには睡眠薬相当の効果があると証明されているので、一度試してみるのも良いかもしれませんね。
血行を促進させる
血行を促進させることでリラックスして眠りにつきやすくなりますから、お風呂に入ったりストレッチすると睡眠の質を高めることができます。
寝る前のお酒はやめるべき?
眠れないとついついお酒に頼ってしまう人も多いとは思いますが、寝酒で眠っても眠りが浅くなってしまいますから、眠った意味があまりありません。睡眠の質が低下するメカニズムは、お酒を飲むことによってアルコールがホメオスタシスという体を安定に保つバランスを狂わせてしまい、眠りが浅くなってしまいます。
睡眠は質より量ですから、たとえお酒を飲んだことによって長時間眠れたとしても、睡眠の質が悪ければ、疲れが取れなかったり昼間に眠気を感じたりしてしまいますし、仕事も集中できず悪影響を及ぼしてしまいます。
逆に睡眠の質が高ければ短時間の睡眠でもスッキリ目覚めることができ、昼間に眠気を感じることもありません。睡眠の質を上げるには寝酒の習慣を改善して、睡眠を質を高める習慣を身につける必要があります。いきなり禁酒するのは難しいですから、最初は飲む時間帯・飲む量を少しずつ変えること。その上で睡眠の質を高めてくれる習慣を身につけると良いですね。
- 寝る前にスマホやパソコンは触らない
- 真っ暗にして寝る
- 夕方以降カフェインを取らない
- 寝る3時間前には食事を終える
- 睡眠を促進させる香りをかぐ
- 血行を促進させる
などをすることで睡眠の質を高めることができます。お酒もなるべく控えるようにしたほうが良いですが、健康のことばかり気にしていると逆にストレスになってしまいます。お酒もほどほどに美味しく楽しんで飲むようにすると良いですね。
気持ちよく睡眠に入れない毎日が続いているのなら、サプリメント等の睡眠に特化した商品を使うのも一つの手です。日本人は睡眠で悩んでいる人がたくさんいます。なのでたくさん商品もあります。どれがいいか分からない場合はレビューを見て購入を決めるといいと思います。