鉄分不足が不眠につながる?貧血と睡眠の関係性とは?
貧血から立ちくらみやめまい、手足の冷えに悩まされたりしていませんか?女性なら誰しもが1回は鉄分不足で悩んだことがあると思います。しかしこの貧血、体のだるさだけではなく不眠にもつながっていることを知っていますか?
貧血が快眠を邪魔していた?
そもそも貧血とは何なのか。貧血とは体内のヘモグロビンが減少することにより起きます。ヘモグロビンは体内の酸素を肺から体中に運ぶ働きがあります。そのヘモグロビンが減少してしまうと体内が酸素不足の状態になってしまい、貧血の症状であるめまい、立ちくらみなどにつながります。
貧血には何種類か名前があり、鉄分不足からなる貧血は鉄欠乏性貧血と言われ、貧血で悩む9割がこの鉄欠乏性貧血と言われています。日本人女性の多くが悩んでいる鉄欠乏性貧血、なぜ男性より女性のほうが多いのでしょうか?
鉄はとても吸収率が悪いといわれています。食事から少ししか体に吸収されず、その少ない鉄分を体内で再利用しています。そのためしっかり食事をし、鉄分をとっていれば鉄欠乏性貧血になることはありません。
女性の場合は月経などで1か月に1度大量の血液を失います。それにより体内で再利用していた鉄分も流れ出てしまうため男性などと同じ鉄分摂取量だと足りなくなってしまうのです。
最近では男女問わず若い年齢層が鉄欠乏性貧血になる事が多いです。その理由としては食生活の乱れです。無理なダイエットや偏食、1日3食食べないなど食生活の乱れから十分な鉄分が吸収できず貧血になってしまいます。健康にも良くない貧血、不眠とはどのような関係があるのでしょうか?
不眠と貧血の関係性って?
貧血からなぜ不眠になってしまうのでしょうか?鉄分は体内の酸素を運ぶ役割もありますが神経同士の連絡にも使われます。そのため鉄分が不足してしまうと神経同士の連携が取れず手足の冷えやイライラなどの症状が出てしまい、それにより睡眠に入りにくくなります。
貧血により体温の低下にもつながり、体温調節がうまくいかず睡眠リズムまで崩れてしまいます。また体内の酸素不足等により脚が痒くて眠れなくなる「レストレッグス症候群(むずむず症候群)」になってしまう場合もあります。レストレッグス症候群から不眠に繋がる場合もあります。
貧血になってしまうと、普段の生活でだるさを覚えたりするだけではなく睡眠生活にも影響が出てしまうことが分かりました。貧血を予防して健康的な生活を送りたいですよね。日頃から鉄分をとるように生活しているつもりでも効率よくとらなければ、せっかくの食事も無駄になってしまうかもしれません。
食べ物に含まれる鉄分にも種類があり、鉄分が含まれている食材を食べときゃいい!というわけではありません。どの食材どのような鉄分が含まれているかをしっかり理解して正しく食事をして貧血から体を守り、体調不良や不眠から解放されましょう。
鉄分ってどう摂取するのが正解?
鉄分をとっているのに貧血に悩んでいる…何てことありませんか?鉄分には大きく分けて2つあります。体内に吸収されやすいヘム鉄と体内に吸収されにくい非ヘム鉄があります。ヘム鉄は動物性の食材に含まれているもので非ヘム鉄は植物性に含まれています。
体内に吸収されやすいヘム鉄を含む食べ物
- レバー
- 牛肉
- カツオ等の魚
- シジミやアサリなどの貝類
体内に吸収されにくい非ヘム鉄を含む食べ物
- ほうれん草などの野菜
- ひじき
- 油揚げ
大体、鉄分をとるために非ヘム鉄を摂取している場合が多いです。ヘム鉄はたんぱく質に覆われているため体内に入れた時簡単に吸収されます。それに比べ非ヘム鉄は吸収される時、活性酸素を出すため粘膜に傷をつけてしまいます。またその時一緒に摂取した食べ物などに影響されやすいので自分ではたくさん食べたつもりでも体内に吸収されているのはわずかという場合もあります。
貧血対策には野菜などではなく肉等の動物性の食べ物をとると良いでしょう。また、鉄分を吸収しやすくする栄養素も一緒に摂取すると効果的です。ビタミンCやたんぱく質は鉄分の吸収を良くしてくれます。意識して食事メニューを考えて吸収率を上げましょう。
逆に吸収を阻止する食べ物もあるので気を付けましょう。コーヒーや緑茶に含まれるタンニン、大豆や海藻類に含まれる食物繊維は鉄分の吸収を阻止してしまう場合があるので食事のときは飲み物をお水にするなど、しっかり体内に鉄分を吸収できるようにしましょう。
鉄分のとりすぎは鉄過剰症になってしまいます。自覚症状はないものの内臓の病気に繋がったりするので週1回ヘム鉄食材をメインにした食事をとるといいでしょう。1日に必要な鉄分は女性で12mg、男性で10mgと言われています。
サプリメントで鉄分不足解消はできるの?
食べ物で鉄分を摂取するのは難しいからサプリメントで補おうとする場合も多いと思います。サプリメントなら味もないし飲むだけなので出先などでも簡単に摂取できますよね。サプリメントを飲むのも1つの手です。
しかしいくら鉄分が足りないからと言って過剰に飲んでしまったり鉄分を意識した食事にプラスしてサプリメントを飲んでしまうのも良くありません。毎日の食生活で鉄分を補えきれない場合にのみ使いましょう。またこの際、サプリメントだけではなくビタミンC等の吸収率を高める食材も一緒に摂取しましょう。
サプリメントを飲むときはどのタイミングで飲んでいますか?いつ飲んでも変わらないと思うかもしれませんが、サプリを飲むタイミングも吸収に大きくかかわるんです。大体薬のような感覚で食後に飲むのではないでしょうか?実はその飲み方、鉄分のサプリメントにはあまり効果がないんです。その日の夕食に鉄分の吸収を抑えるものがあれば、せっかく鉄分のサプリメントを飲んでも多く吸収されず終わってしまいます。
サプリメントを飲む時間は食前、食後は避けましょう。食事をする1時間前などの空腹時に摂取するのがいいといわれています。あくまでヘム鉄などの鉄分のサプリメントの場合なのでほかのサプリメントなどを併用している場合はそのサプリメントの正しい服用時間を守りましょう。
サプリメントは忙しい社会人には欠かせないものですが補助栄養剤であることを意識しましょう。サプリメントを飲んでいるから健康になれるというわけではありません。食事などでしっかり栄養を補うようにしましょう。
貧血を改善して健康的に
女性の多くが悩む貧血、立ちくらみやめまい等の症状だけではなく体温低下や精神的に不安定になってしまうことから不眠につながる場合があり、神経同士の連携がうまくいかないことから不眠につながる症状が出てしまいます。貧血を治すには鉄分をとることが大切です。
鉄分には2種類あり、体に対して吸収性の高いヘム鉄、吸収率が低い非ヘム鉄があります。ヘム鉄は主に動物性の食品(レバーや魚介類)に含まれています。非ヘム鉄は植物性(野菜等)に含まれています。貧血対策でよく食べられているのは非ヘム鉄が多いため、多くは吸収されない場合が多いため、ヘム鉄を摂取する食生活を心がけましょう。
- 毎日レバーを食べる等、過剰摂取はNG!週1程度でOK
- 吸収率をよくするためビタミンCやたんぱく質を一緒に摂取する
- タンニン、食物繊維等は吸収率を下げるため一緒に摂取しないようにする
- サプリメントは食前1時間前が効果的、用法容量を守って使用する
貧血を治すことで普段の生活もより活発なものになるでしょう。日頃当たり前だと思っていた冷えや、倦怠感が解消される場合もあります。普段不眠で悩んでいる場合、貧血だけのせいではないかもしれません。ストレスや何か別の病気などから不眠になっている可能性もあります。貧血の症状が良くなっても不眠が解消されない場合は睡眠外来などに相談してみましょう。